中小企業のための、失敗しない業務システム開発 03-委託・発注で困らない、システム開発の進め方


仕事をより良く進めるため、業務システムを導入したいと思っても、「システムの専任担当者がおらず、どんなふうに進めたらいいか分からない」「以前にもチャレンジしたけど、全然うまくいかなかった」というように、業務のシステム化は決して簡単でありません。


このような不安から「現在やっている自分の業務を変えたくない」と主張する人も、出てくるかもしれません。


そこで、中小企業で、どのように業務システムを導入するか、その流れとポイントを解説します。



ゴールと目的を明確にする


まず最初にやることは、ゴールと目的をハッキリさせることです。頭のなかで考えるだけでなく、ほかの人にもわかるように書き出しておくといいでしょう。何も、凝った企画書を時間をかけて作成する必要はありません。ホワイトボードか大きめの紙にかんたんに整理しておけばいいのです。


明確にする内容は、「対象となる業務」「ゴール:やりたいこと」「目的:得られる成果」です。たとえば、伝票の作成業務を対象にして、エクセルでやっている業務をシステム化して、「作業時間を大幅に短くする」「ほかの人でもできるようにする」といった成果を実現する、といった具合です。

はじめは小さなゴールを目指す


このとき、今回の導入の範囲を明確にするよう意識しましょう。このような範囲を「スコープ」と呼びます。


夢を描くと、あれもこれもとなりがちです。でも、一度に全部を実現しようとすると、話が大きくなって成功もおぼつかなくなります。それよりも「今回やらないこと」を「この成果が実現できたら、次のステップで取り組みたいこと」として整理しておくのです。


スコープ:今回の導入の範囲を明確にする

  • 今回やらないこと > この成果が得られたら、次のステップで実現


システム導入を成功させる秘訣は、はじめは小さなゴールを目指すことです。


こうすると、簡単すぎるぐらいのゴールを確実に決めて、成功体験を積み上げていくことができます。もしも、新しいチャレンジに躊躇する人がいても、その抵抗感を下げることができます。失敗したとしても、被害を最小限になり、軌道修正が簡単になります。

対象の業務を整理する


次に取り組むのは、対象となる業務の内容を整理することです。これは、システム開発を委託したり発注する相手に、業務を理解してもらうために行います。最初の段階で、やりたい範囲を広げていると、この段階で手が回らなくなるので注意しましょう。


整理する内容は、大体こんなかんじです。いろいろあるので、チェックリストとして使ってみてください。「この業務で、誰が何をやっているのか」「どんなツールを使っているのか」「実際に記入・入力している内容」です。これには、実際の帳票やファイルを集めておくといいでしょう。


それから、その作業での最終的な成果物と、その成果物をどうするかも書き出しておきましょう。






業務を整理するチェックリスト


□ 誰がやっている業務か書き出す

□ どんなツールを使っているか(Excel、専用アプリ、紙の台帳)

□ どんなファイル・紙に入れているか

□ 実際に書いている内容

□ どんな手順で作業しているか


□ 最終的な成果物

□ 最終的にやること(FAX、郵送、ファイリング)




人に説明しようとすると、けっこう大変ですよね。新人に新しい仕事を説明するときも、最初から完璧に伝えられないし、教わるほうも全部を理解できません。実際に仕事をやりながら、少しずつ覚えていきますよね。


それに、このように業務を整理しようとすると、担当者以外は意外と分かっていなかったり、実は不要な作業をやっていたり、なぜやっているか理由をしらなかったり、なんてことがたくさん出てきます。


これを機会に、余分な作業をちょっとだけ整理しておくと良いでしょう。



システム開発会社を選ぶ手順


対象となる業務の整理に目途がついたら、いよいよシステム開発会社を探します。これは、次のような手順で進めます。


まず、作りたいシステムの種類を調べます。やりたいことに応じて、いろいろなシステムがありますし、実はもっと便利なWebサービスが見つかる場合もあるでしょう。そういう企業の候補をいくつかあげて、問い合わせをしたり、お試し利用してみましょう。企業向けのサービスであれば、見積り書や提案書を用意してくれる場合もあります。


そして、見積り金額や実現方法を比較して、システム開発会社を選択します。

業務システムを開発するポイント


このようなシステム開発を成功させるポイントは、これまで説明してきたように「目的とゴールを明確にする」「はじめは小さなゴールを目指すこと」です。小さくつくって、実際に試して、ちょっとずつ変えていくことです。


初めから完璧にできる人はいませんし、システム開発の経験が乏しい中小企業のスタッフならなおさらです。時間もコストもかかるので、失敗しても修正できる方法を選びましよう。


それから、もうひとつ大事なのは「システム開発企業に丸投げしない」こと。丸投げすると、自分たちのほしいシステムではなく、相手の得意なシステムになりがちです。依頼する側も、考えもなくワガママを言っていると、なにが本当に必要なのかを見極められなくなってしまします。


業務システムの導入は、システム開発プロジェクトではなく、業務改善プロジェクトです。極端なことを言えば、最初に構想したシステムと違うものになってもいい。大事なことは、実現したかった成果を上げるため、継続してチャレンジを続けることなのです。

そのためには、偉い人を味方につけると共に、社内のコミュニケーションを密にすることが重要です。



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